僕は30歳を過ぎてから転職してIT業界に入りました。
この業界には長時間労働でブラックなイメージを持っていましたが、実際に複数社で働いてみてイメージ通りだったり、意外なことがあったりしています。
今回はそんな中から僕が入社したあるブラック企業をご紹介します。
これからIT業界に入ろうと思っている人、既にIT業界で虐げられている人、全く別の業界の人、どなたでも楽しんでいただける内容です。
ぜひご覧ください。
会社概要
会社の概要を簡単に説明します。
大阪の肥後橋辺りにあるIT系の会社。
基本的にSESと呼ばれる、自社の社員を他社に派遣して働かせる形態の会社。
自社開発とか請負とか積極的にやってると自称していますが、まあ9割SESです。
設立からはそこそこの年数が経っている会社ですが、社員数は数十名の小さい会社です。
この記事で紹介しているようなことをしている会社なので社員の定着率も悪いのでしょう。
僕が在職中の時は月に1人以上辞めていました。
それでも1、2ヶ月に1人くらい入社してくるので社員がいなくなることはないのでしょう。
人の入れ替わりが激しい会社です。
ちなみに僕を合わせて3ヶ月連続で僕の所属していた部署から新人が辞めているので、特に僕のいた部署の上司が悪かったのかもしれません。
当ブログではこの会社を仮に「株式会社EF」と呼称します。
SESで経営が成り立っている
この業界では、一般的にエンジニアの立場からするとSESは悪とされています。
簡単に言うと「ドナドナ」みないな感じですかね?
売られていくよ〜です。
ある日突然営業に呼ばれて、他社に連れて行かれます。
そこで面接を受けて合格すればそれからは自社ではなく、その会社に出勤することになります。
ものすごく悪い言い方をすると人身売買のようなものです。
営業は僕達エンジニアという商品をお客様にお見せし、気に入ってもらえると買ってもらえる。そういうことです。
商品であるエンジニアに選択権はありません。
良い案件に当たるとラッキーですが、悪い案件に当たると嫌でもそこで働くことになります。
もちろん中には自分のやりたい仕事を考慮してくれる会社もあります。職場が合わなければ変えてくれる会社もあります。
ですが僕が見てきた中や現場で知り合った多くの先輩方の話では残念ながら良心的な会社は少数のようです。
僕も経験があるのですが、未経験の新人を研修もせずにいきなり新規顧客の案件に1人で行かせるとか普通にあります。
はっきり言って地獄ですよ。全くプログラミングができないのに、1人でいきなりプログラミングをしなければならないのですから。
SESで客先から直接指示を受けるのは違法ですから、1人で客先に行くこのケースはまず違法でしょう。
そもそも全くの未経験者が面接に通るのか、と思われますか?
それはですね。営業からウソの経歴を話すように言われるんですよね。プロジェクトに参画した後にすぐバレるんですが、自社としてはとりあえず無理矢理にでも客先に入れてしまえばオッケーという考え方です。
SESメインの会社は社員(商品)をお客様に売らなければ利益が出ないので、こういう無茶なやり方が横行しているということです。
もちろん、SESメインの経営だから100%ブラックというわけではなく、SESにもいい点はありますし、むしろSES大好き!というエンジニアさんもいます。
裁量労働制を悪用する
株式会社EFのエンジニアは裁量労働制ですが何故か定時が存在します。でも裁量労働制なので残業代は1円も出ません。
基本客先で働くのでそりゃあ裁量労働制なんて無理ですよね。お客さんの業務時間に合わせますから。
裁量労働制はその名の通り、労働者の裁量で仕事ができなければいけません。
そもそもプログラマは自分の裁量で仕事はできませんから、プログラマは裁量労働制に含まれないと明確に定められています。
興味のある方は厚生労働省のウェブサイトをご覧ください。↓
この業界ではプログラマをSEとして働かせるのもよくあることのようです。
株式会社EFもプログラマであっても肩書はシステムエンジニアです。
SEの方が参画できる案件の幅が増えますし、プログラマよりも単価も高くなります。
つまり会社にとってSEの方が儲かるということです。
退職時の有給消化を拒否
そもそも有給休暇の取得を会社が拒否する権利はありません。
あるのは取得時季を変更する権利です。
そしてこの時期の変更は退職日より後の日にはできません。
つまり退職者は必ず有給をすべて消化できるということです。
でも残念ながら退職者の有給取得を拒否する会社も多いようです。
株式会社EFもその中の一社。
最後の最後までかなり揉めました。
引継ぎのことを考えて、1ヶ月半前に退職を申し出て(就業規則では1ヶ月前でいいことになっている)、ほんの7日間程度の有給が取れない…
僕は入社半年程度の新人でした。その新人が休んだくらいで仕事が回らないのだとしたら、それは管理者が無能なんです。
業務的にも1週間もあれば十分に引き継げる内容でした。僕に否は全くない状態と言えます。
最終的には5日間は取らしてもらいましたが、客先に配慮して2日間有給を捨てました。
たった5日間ですが、自社と客先の両方からかなり嫌な顔をされました。
1クリックミスをしただけで何億の損失とかがでるような重要なうえ、誰もやりたがらない仕事を一人で頑張っていたし、
引継ぎにもかなり気を使ったのですが、最後にたった5日の休みを取るのにそこまで嫌な態度取るのか…という感じで非常に残念でした。
重要なうえ担当者は僕一人だったので、普段有給を取ることが難しい仕事でした。
自社と客先の態度には本当にがっかりしました。
客先にウソをつく
会社がお客様である別の会社に対してウソをつく…
そんなことが当たり前のように行われている。皆さんはそんな会社があるなんて想像できますか?
僕は想像できていませんでした。
退職1ヶ月前くらいから、お客様の僕に対する態度が明らかにおかしくなりました。
僕は前述の有給休暇の件があったので、それが原因だと思ったんです。
5日間の有給を退職時に取得する時、何故か客先から「とるな」と言われて、「それは違うんではないですか?」と異議を申し立てたので、そのことで気まずい感じになっているのだと勘違いしていました。
しかし退職日にお客様から真相を聞いてかなり驚きました。
それはついたらダメなウソでしょう…と。
この会社のウソに関してはまた別の機会に記事にします。
年末調整をしてくれない
僕は株式会社EFに4月1に入社し12月31日に退職しました。
この場合はその年の年末調整を会社にしてもらえるのでしょうか?
税務署にも確認した結果、答えはYESです。
「してもらえる」ではなく、会社は年末調整をする義務があるのです。
でも当然のようにしてくれません。平気でそういうことをする会社です。
詳しくはこちらの記事をごらんください。
源泉徴収票を交付してくれない
さらに驚くことに、年末調整をしない上に源泉徴収票も交付しないのです。
源泉徴収票は確定申告するために必須の書類です。
これを出してくれない事にはこちらとしてもどうしようもないんです。
僕と同じような被害にあっている方はぜひこちらの記事を参考にしてください。
さいごに
最後まで読んでくださりありがとうございます。
皆さんはこの記事を読んでどう思われましたか?
「こんな会社まだまだブラックとは言えない!」というような強者や、
「自分の会社はまだましだな」という凡人もいるでしょう。
僕のようにブラック企業の被害に合う人が減ってほしくてこの記事を書きました。
事実であっても実際の社名を出したり、会社が特定できるような書き方をすると名誉毀損になってしまうので残念ながら社名を書くことができません。
本当に腹立たしい会社ですし、この会社の被害者を増やしたくないので本当に残念です。
入社しようとしている会社が良い会社か悪い会社かは実際に入ってみないとわからない部分が多い。
今回ご紹介した会社も、ネットの口コミはそれほど悪くないどころか、むしろ良い評価がされている転職サイトもあります。
内部の社員が読んだら瞬時にウソだとわかる良い口コミも多数ありました。
これは恐らくですが、自分達で口コミサイト等に良い評判を書いているのだと思います。
ネットは便利ですがウソの情報も多いので、いろんな媒体から情報を探して少しでもブラック企業に入るリスクを減らしましょう。
もし間違って入社してしまった場合は、できるだけ早く転職することをオススメします。
それでは今回はこの辺で。
よろしければ関連記事も読んでいただけると嬉しいです。